・Balda "Baldax" 03
Shutter: Compur ( T, B, 1,1/2,1/5,1/10,1/25,1/50,1/100,1/250 )
Lens: Meyer-Gorlitz Trioplan ( f=7.5cm 1:2.9 )
ドイツ・バルダ社のセミ判スプリングカメラ、バルダックスです。
ボディ両端は縁が絞り込まれ、背面赤窓カバーは左右スライド式外付けです。
フィルム巻上げは69判用の数字を2つの赤窓で交互に読み取ります。
この機体はシャッターサイズが0番の大型で、f2.9のトリオプランが付いています。
当時としてはかなり大口径のレンズが付いたモデルですが
「甘メーヤー」の三枚玉ですから開放の描写はポヤポヤになります。
ファインダーは逆ガリレイ式の折り畳み型でパララックス補正機構は有りません。
シャッターはセルフタイマー付コンパーで最高速度は1/250秒、Tは廃止前です。
上記特徴から1930年代半ばの物ではないかと思われます。
この機体は以前の持ち主が随分手を掛けた様で
ファインダー横に後付けでアクセサリーシューが追加されています。
これ位の改造は当時の写真機だと割合良く見かけるのですが
更にボディレリーズ化改造までされています。
アサヒカメラ昭和十四年五月号の新製品紹介記事及び広告から。
純正バルダックスのボディレリーズ機構は妙に凝った構造になっていますが
この機体のはウェルタのペルレと似た仕掛けです。
素人工作には見えませんので、こう云う業者で改造したのだろうと思います。
2011年冬のワンダーフェスティバルにて。