・東亜光機
"Gelto DIII"01

Gelto DIII01_00

Shutter: Gelto-III ( T, B, 1/5,1/10,1/25,1/50,1/75,1/100,1/250 )

Lens: Grimmel Anastigmat ( f=50mm 1:3.5 )

Gelto DIII01_01 

Gelto DIII01_02 

Gelto DIII01_03 

東亜光機(高橋光学)の国産ベビー判写真機、ゲルトDIIIです。
レンズはグリンメルアナスチグマット50mmのf3.5で
三枚玉ながら当時から描写の良さには定評が有った様です。
総金属製のずっしりした写真機で、本体は約420gもあります。
レンズ部は沈胴式ですがライツのエルマーみたいな固定装置は有りません。
分解してみると判りますが、ヘリコイド側にCリング状のバネが仕込んであり
鏡胴を引き出すと末端の溝に食い込んで固定される様になっています。


当時の広告だと発売元として「服部時計店写真機部」だけか
或いはドイツ語で「GELTO KAMERA WERKE」などと書いてあります。
・・・時々混ざって英語の「CAMERA」になっていたりするのはご愛嬌w
そんな感じであったので、発売当初にドイツ製と勘違いされたと云う話が
北野邦雄さんの「カメラの話」(昭和十六年発行)に書かれています。
尤も、十数年前のクラカメ雑誌でゲルトをドイツ製と書いていた本も有ったので
発売元の思惑は半世紀を経過しても尚効果が有った訳です・・・(;´Д`)


トップカバーの軍艦部を外した所。
Gelto DIII01_04
フィルム装填時、戦後型だと裏蓋全体がパカッと外せますが
戦前型はライカやベス単の様にフィルム圧板の隙間へ差し込む形になります。
製造番号2900番台のこの機体はトップカバー側スプール受けにバネが有りません。


1m以下の距離目盛部分。
Gelto DIII01_05
補助レンズ無しで最短50cmまで寄れるのが特徴のゲルトですが
この機体だと1m以下の距離目盛は夫々1/2(m)、2/3(m)となっています。


Gelto DIII01_06
「アサヒカメラ」昭和十四年五月号の広告から。
黒塗りのスタンダードゲルトDIIIでf3.5レンズ付きは七十八円となっています。



 

ベスト判はカーリングが酷いのですが比較的まともに写っている奴から。

最短で写した庭先の立葵
職場近くで見かけた薔薇の花
解像度自体は結構出ている
海軍記念日に横須賀の三笠艦上にて

 

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