佐和式露出計算尺_00

・ARS  "佐和式露出計算尺" (戦前型)


写真雑誌を発行していたアルスから昭和八年に発売された佐和式露出計算尺です。
本体はボール紙で出来ていて、セルロイド製のカバーで覆われています。
製造元は計算尺のトップメーカーだった逸見製作所と言う本格的な物です。
 

佐和式露出計算尺_01 
本体を裏側から見た所。
光度算出の為に使う各種表が細かく書かれています。
上写真左から
「毎月の時間別光度係数表」「フィルム・乾板の銘柄別係数表」「フィルター使用時の露出倍数表」

佐和式露出計算尺_02 
フィルム・乾板の銘柄別係数表のアップ。
アグフアのイゾパンとかイーストマンSSパン、さくらクローム等の名前が見て取れます。
この表に載っていないフィルムを使う時はどうしていたのか気になりますが
当時の雑誌広告などを見ると、新フィルムが発売される度に新しい表を作成していた様です。

佐和式露出計算尺_03 
この露出計算尺は一番最初に手に入れたものでしたが入手当初は使い方が全く判らず
その後手に入れた当時の雑誌記事などを見て考えた末
漸くそれらしい使い方を推定する事が出来ました。
当時嬉しさの余り、使用法を纏めたコピー誌を出してしまった位ですw
尚、流石に実物を使うのは気が引ける為、現在は自作した複製品を常用しています。

佐和式露出計算尺_04 佐和式露出計算尺_05 
当時の写真雑誌に載っていた商品広告から。
左は「写真サロン」昭和九年十二月号、右が「アサヒカメラ」昭和十三年九月号の広告で三十銭程値上がりしています。
この時分の広告は、製品の品質はともかく、えらく威勢が良くて見ていて実に楽しいのですが
「空爆的大売れ行き!!」ってーのはツッコミを入れずには居られませんw

尚、佐和式露出計算尺は戦後の昭和二十六年に新版が発売されています。

 

 

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