・四十口徑三年式八糎高角砲 大砲要具筐
用途はズバリ、その名の通りの物ですw
海軍の三年式八糎高角砲は四一式八糎平射砲を仰角75度に改造した物で
初期の高角砲として新造時の戦艦山城や重巡古鷹などが装備しました。
尚、「八糎」と呼称していますが実口径は76.2mm(3吋)です。
正面側から。
外側は塗装が完全に剥げて錆で覆われています。
外寸は、長さ約64cm、幅約29cm、深さ約17cm。
裏側から。2個のヒンジは溶接で蓋と本体に固定されています。
左右の両端にはガッチリとした取手が有ります。
両脇から要員2名で持ち上げて運んだのでしょうか。
内部の様子。底板に錆穴が有りますが白色塗装が僅かに残っています。
蓋の内側に「四十口徑三年式八糎高角砲 大砲要具筐格納品一覽表」と書かれた銘板が付いてますが
箱の中身はカラッポで何も残っていません。
裏返して見た底板の状態です。
本来有ったであろう「足」の木材は朽ち果てて殆ど残っていませんでしたので
取り敢えず適当な角材を取り付けました。
実物の足は半分位の厚さだったろうと思います。
向かって左側に固定用らしい部品が付いていたので、適当に紐を結んでみる。
因みに銘板には1から28までの品目が記載されていますが
一番年式の新しい物が6番の「九六式傳火筒囘螺器」なので
箱そのものは昭和十一年以降の物だと思われます。