九二式電話機00

・九二式電話機


日本陸軍が昭和七年に制式制定した野戦用の電話機です。
モノの本によれば、終戦までに約8万台程生産されたとあります。
この電話が終戦迄日本陸軍有線野戦電話の主力であった様です。

九二式電話機01
九二式電話機02
蓋を閉じた状態の様子。
磁気を帯びない様、材料は木材とアルミで出来ています。
九二式電話機03
底板もアルミ張りです。
九二式電話機04
銘板のアップ。昭和15年2月の東京工廠製です。
・・・しかし、右書きの銘板に算用数字の刻印ってムチャしますなw

九二式電話機05
上蓋を開けた所。こんな風に収納されます。
写真には写って居ませんが、呼出用発電機の取っ手を収納する時は
正副受話器に挟まれた右端の穴に差し込みます。

九二式電話機06
送受話器を外して本体上面を見た所。
蓋の裏側に取扱要領と回路図及び実体配線図が書かれたエッチング板が付けられて居ます。
これも末期になると紙に印刷した物が貼られて居るだけになったりした様です。
本体側中央右の穴の開いたアルミ板は、真下に有る電鈴の音逃がし用です。
上蓋の側面にも穴が有り、閉じた状態でも音が聞こえる様になって居ます。

九二式電話機07
「兎の耳」と呼ばれた送受話器の様子。
九二式電話機08
此方は副受話器。どちらもアルミ鋳物製です。
構造上、現代の電話の様な双方向通話型では無く
送受話器本体握り部の切り替えスイッチによる交互通話方式だと思われます。

九二式電話機09a
回路図及び実体配線図のアップ。
九二式電話機09b
取扱要領部分のアップ。一部削れて文字が読めません・・・(泣

九二式電話機10
側面の蓋を開けて本体内部を見た所。
回路図から判断すると右端に有るのが3枚馬蹄磁石の発電機。
その左上にベルが有り、横に有る短い2本の筒状の物がベルを鳴らす電磁石(中央にゴング有り)。
左隣の上下に(1)(2)の番号が付いた筒状の物は接続トランスで
更に横の角型の物は電信用電鍵、左下の黒い箱は電鈴と並列に繋がれた蓄電器。

九二式電話機11
発電機の取っ手は此の様に取り付けられます。
九二式電話機12
電鍵部の外側はこんな感じ。

九二式電話機13
側面蓋の内側の様子。
右側の丸く窪んだ所には、本来丸い備品入れの様な物が有る筈ですが紛失しています。
使用の際は通話用の角型電池を左側の枠の中に2個入れて使います。

寸法は概略で夫々縦110mm、横270mm、高さ170mm。
この状態で重さは4.2kg有りました。
此れをもう一台手に入れて、野戦電話ごっこをやってみたいですね。(^-^;;

 

 

メニューへ戻る    「戦前戦中の部」へ戻る

 

 

inserted by FC2 system